「日高良実シェフに学ぶプロの技と味覚」

テーマ:「トマトソース」~トマトソースは一つじゃない!~

5月16日、MIIKUおいしさ学1day セミナーが開催されました。MIIKUでは、味覚が持つ役割や素材を見分ける知識、能力を身につけ、皆さんに健康的な食生活を送っていただきたいと思っています。MIIKU 1dayセミナーでは、シェフの料理講座を通じて「食材」、「味覚の役割」や「おいしさ」について学んでいただけます。

今回は、9名の方にご参加いただき、アクアパッツァの日高シェフに講義いただきました。

当日は、普段入る事が出来ない厨房に入れていただき、「北イタリア式トマトソース」「南イタリアトマトソース」「フレッシュトマトソース」の3種類のデモンストレーションを見せていただきました。

北イタリア式トマトソース

「北イタリア式トマトソース」

イタリアの北に行けば行くほどにんにくの使用量が少なくなります。今回は香りを出す為に少しだけ使用していますが、玉ねぎ、人参、セロリの香味野菜とあわせてじーっくりコトコトと煮込み、野菜の甘みを引き出していきます。そこにトマトホール缶とローリエを加えて強火で煮立たせてから弱火でまた煮込んで裏ごしして仕上げます。裏ごししたソースはとってもなめらかで、上品な味に仕上がっていました。

南イタリア式トマトソース

「南イタリア式トマトソース」

にんにくをみじん切りにし、オリーブオイルが温まる前にいれて香りを出していきます。油が熱くなってから入れる人が多いのですが、そうするとせっかくのにんにくが焦げてしまい、香りがたちません。また、ここでのポイントは多めの油で、揚げるように、ホールトマト投入後は強めの火加減・短時間で仕上げていくことでぐっと美味しくなります。

「フレッシュトマトソース」

「フレッシュトマトソース」

「フレッシュトマトソース」と聞いていたので、フレッシュのまま使用し、冷製パスタに仕上げるイメージでしたが、こちらも火に通して仕上げました。南イタリア式と同じように、にんにくはオイルが冷たいうちからいれ、フレッシュトマトをいれたら強火で火を入れ水分をとばします。2~3分したら後は予熱だけで仕上げます。

これらの3つのソースをそれぞれパスタにあわせていただきました。それぞれ味比べを行いましたが、同じトマトなのに、作り方が違うだけでこんなに味が変わるとは!と皆さんとても驚かれていました。熱の通し方や素材の組み合わせを変えるだけで同じ素材を使っても味が変わってきます。MIIKUマスターコースでもこのように同じ食材や調味料の食べ比べを実施し、もっと詳しい内容をお伝えしていきます。

MIIKUの観点からトマト

厨房でのトマトソースに関する講義のあとは、宮川先生からMIIKUの観点からのトマトについて教えていただきました。

トマトの旬はいつかご存知ですか?「夏」と思われがちですが、実は3~5月の「春」に旬を迎えます。トマトはもともと冷涼なアンデスの山岳地帯が原産で、雨量が極端に少なく昼と夜の温度差が激しく、さらに強い紫外線にさらされる過酷な自然環境で生育する植物です。種を乾燥から守るために種の周りはゼリー状になり、少しでも水分の蒸発を防ごうと水分に粘りを与えるために糖度を上げます。又表面にはびっしりと産毛をつけて夜露を取り込もうとするなど、きびしい自然の中で生き抜くために小ぶりで糖度が高く身がしまった野菜になったのです。このような条件で育った植物が日本で育つとしたら、それは夏ではなく春、それも梅雨の前までとなります。

味覚教育では、まず食材の事を知り、素材を見分ける知識や能力が大切となります。MIIKUマスターコースでは自分の味覚を知り、さらに詳しく調味料や食材について学び、味の組み合わせや多くの調味料についても詳しく学んでいきます。マスターコースを受けるか迷われている方はぜひ1度1dayセミナーにご参加ください。次回は8月に親子クッキング教室を実施予定です。